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やぶやのエピソード
2010年にはハワイ出店を予定している。
もちろん当社の社員数名が行き、中心になって立ち上げを行う。
外人任せには絶対しない。そこで問題となるのが「英会話」だ。
でも、いくらお金を渡して、「英会話を習って来い」って
言ったって行くような連中じゃない。
そこで社長は考えた。「先生に店へ来て貰えばいいじゃないか!」
かくして閉店後の外人講師による個人レッスンが始まった……。
煙もうもうの店内は窓を開けなければ商売にならず、
夏だというのに冷房がまったく効かない。
当然、お客さんから暑いとクレームがあった。
「うちわを配ったらどうでしょう?」と社員の一人が言った。
すぐに実行してみたが、まだ暑さをしのげない。
「凍らせたおしぼりを配ったらどうでしょう?」と社員の一人が言った。
すぐに実行してみたが、まだまだ暑さをしのげない。
最後に社長がこう言った。
「たらいに氷と水を入れ、お客様に配り、靴下を脱いで足を浸してもらおう!」
シャンパンの王様ドン・ペリニオン。
高級なお酒として市場価格でも、安くても数万円だ。
そんなお酒が、この焼肉居酒屋に置いてあるのを、知っている人は知っている。
社長が社員を連れて飲みに行くときは必ず皆にドンペリを飲ませる。高級な物の味を社員に覚えさせたいからだ。
味を知らないと、お客様に勧めることはできない。
やぶ屋は皆ドンペリの味を知っている。だから店にも置いてある。
おしゃれな居酒屋は数多い。
でも、みんなが揃ってワイワイ、ガヤガヤやる店は
おしゃれじゃなくてもいいはずだ。
そこで社長は考えた。
「七輪を使ってとんちゃん焼こう!無煙ロースターとは
無縁の商売だ!」
おかげで店内は煙もうもう。夏でも冬でも窓は開けっ放し。
だが味は無煙ロースターとは比べ物にならない。何処にも負けない。いつしか口コミで美味さが広まり人気店へと変身した。
フードビジネス業界の雄「ゼットン」の稲本氏とは、
社長は古くからの知り合い。
ある日、「ゼットン」軍団と「やぶ屋」軍団が、
偶然居酒屋(他店)で鉢合わせ。
社長はビール20本を「ゼットン」軍団のテーブルへ届けさせる。
すると、お返しにとビール25本が「やぶ屋」軍団のテーブルに届く。「おまえら、ゼットンに負けるな!」と社長の激が飛ぶ中、
朝まで飲み比べ大会が始まった。
この勝負、どちらが勝ったかは定かでない。
全員酔っぱらっていて記憶があいまいだからだ。
ある日、店長から、社長の元へ緊急の電話があった。
酔っぱらった客が店員に拳銃のような物を突きつけて、
金を払わないとごねているそうだ。
急いで現場に駆け付けて、他のお客様を皆避難させた。
問題の客は「誠意を見せろ」と怒鳴っている。
すると、店長がすぐに耳打ちした。
「よく見ると本物じゃないようです…」。
それを聞いた社長は思い切って前に出てこう言った。
「撃つなら撃ってください!お客さん。ぼくら店員の態度が悪かったんならあやまります。
でもそうでないのならお金を払ってくださいよ!
僕らも命かけて、この仕事してますから!」
それを聞いた客は「やばい!この兄ちゃん、命かけてる…」とつぶやき、拳銃(?)を引っ込めそそくさと金を払って店を出ていった。
「兄ちゃん、これがなんだかわかるか?」
ある日、サラシが巻かれた棒状の物を見せびらかし、
こう聞いてきた酒クセの悪い客がいた。
店員は、「ガードマンが振る非常灯ですか?」と答えた。
その答えに客はぶち切れた。「おまえナメとんのか?」と凄み、
サラシをほどこうとした。
他のお客さんに迷惑がかかってはマズイと思った社長は、
すぐにそれを制止し、客をなだめにかかった。
幸い、サラシの中身を見ることもなく客は金を払って出ていった。
「おれも相当度胸がついたな…」社長はそう思った。
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